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国家試験合格対策ドリル(2017〜2018)Vol.1 国試の準備は春休みから

国家試験合格対策ドリル(2017〜2018)第1回

基礎的な事項は国試対策本だけでなく教科書でもおさえる

第106回の国試では、基礎的な事項でありながら、国試対策本に載っていない事項が多く出題されました。教科書やインターネットで、それらを補っておく必要があります。

第106回の特徴をみておきましょう。

過去問を基準にして、自分で問題を展開してみる

第106回を受けた受験生の感想の多くが、過去問は全く出題されておらず、出題の傾向が大きく変わった、というものでした。また、疾患も、マイナーなものが多く出題されていて、このようなことでは、いくら国試の勉強をしても報われないし、空虚感・無力感を感じる、という感想も多かったようです。

しかしながら、今回の第106回を、過去問と対応させてみますと、上記の感想に反して、過去問と類似する出題がかなり多かったと言えます。特に、第100回の出題と類似したものが多く出題されていて、第101回~第104回のところからは、プール問題と言えるものが数問あり、また、第90回からもプール問題らしき出題がなされています。

しかも、前回の第105回の問題と、今回の第106回の問題を並べて、同じ番号の問題を対応させてみますと、特に必修問題のところで、同じ番号の問題は、同じ出題事項のところから出題されていることが見て取れます。このような傾向は、以前の過去問でも見られましたが、今回の第106回では顕著でした。

要するに、第106回では、上記の感想に反して、過去問と類似した問題が多く出題されており、このような感想をもった受験生は、過去問の勉強が足りなかったと言えます。上記のような感想をもったのは、統計データで問われた項目に馴染みがなかったこと(第100回で類似する出題がありましたが)と、法律関連で見たことがない事項が多く出題されたことなどによって、動揺してしまったことが考えられます。

また、マイナーな疾患が多く出題されたという感想については、バレー徴候が視覚素材問題として出題され、やはり動揺したものと思われます。他の疾患については、これまでの過去問に出題されたものばかりで、この点からも、過去問の勉強が足りなかったと言えます。

これまでも、看護師国家試験は、6年前くらいの過去問から、類似した問題が出題されやすいとされてきました。来年の第107回では、第101回あたりの過去問を中心として勉強することが推奨されます。そして、ただ解いてみるだけではなく、自分だったら、どんな問題に変えて出題するかを考えてみて、出題項目に関連する知識を一層膨らませて、徹底した準備をしておくことが肝要です。

医療制度については新しい事項が出題される

第106回では、法律にからめて、医療制度に関わる出題が多く行われ、動揺を与えました。第106回における統計データの最新事項の対象年は平成26年(2014年)でした(一部、新しいデータがあっても、平成25年で出題されましたが)が、これに合わせて、新しい制度に関する事項が出題されました。

例:感染制御チーム(診療報酬改定による)
例:特定行為に係る看護師の研修制度

特徴的な問題は、その次の回で、それに関連する出題が行われる

一般に、その回で特徴的な出題がなされますと、その次の回で、それに関連する出題が行われる傾向があります。

例:男性生殖器の構造(第105回) → 女性生殖器の構造(第106回)
例:輸液セットによる滴下数の問題(数値を記入する計算問題)
成人用では20滴/mL(第105回。これは知っておく必要があります)
→ 小児用輸液セット(第106回)

根拠(エビデンス)自体も知識として持とう

看護技術で、ゆっくり考えれば根拠が分かる場合もありますが、看護技術と同時に、根拠(エビデンス)自体を知識として持つことで技術を確実に身につけたいものです。

次の第107回の出題からは、「看護における判断プロセス」が重要なキーワードになることが検討されていますので、看護技術は特に力を入れて勉強しておくべきでしょう。

【例題1】 第106回午後23(必修)

氷枕の作り方で適切なのはどれか。
1. 氷を隙間なく入れる。
2. 濡れたタオルで覆う。
3. 内部の空気は残しておく。
4. 水漏れがないことを確認する。

【正答】 4

空気は熱伝導が低いので、空気があると冷却効果が低下します。また、空気があると、フワフワして安定性も悪くなります。

氷の中には、圧縮された空気の泡である気泡が含まれています。氷が溶けて水になると空気が発生し、氷の量が多ければ空気の発生量も多くなります。

各種ガイドラインや検査法を押さえておこう

ガイドラインの改定では、エビデンスも示されることが多いため、それも併せて憶えたいものです。

例:胸骨圧迫は5~6cmの深さ(第106回)

また、検査法も、知識を確実にしましょう。

【例題】 第106回午前53

乳癌の自己検診法の説明で適切なのはどれか。
1. 月経前に行う。
2. 年に1回実施する。
3. 指先を立てて乳房に触る。
4. 乳房の皮膚のくぼみの有無を観察する。

【正答】 4

乳癌の自己検診というと、「しこり」という言葉を思い浮かべます。「くぼみ」の方が、乳癌にとって重要な言葉です。胸に「くぼみ」ができる状態では、「しこり」ができている可能性が非常に高いといえます。

胸のある一部分だけがへこんできたり、しこりを軽くつまんだ時に、しこりのすぐ上の皮膚にくぼみができたりする場合は注意が必要です。しこりをつままなくても、腕を上げることでくぼみができる場合もあります。くぼみが「えくぼ」のように見えるため、えくぼ症状とも言われます。

2つの事項の間の連想を思い描こう

考えさせる問題がますます多くなっています。特に、2つの事項について、すぐには結びつかない事項を結びつけさせる出題が目立ちます。このような問題に対処するには、持っている知識をフル活用し、スピードをつけて解答するために、「キーワード」を中心とした学習方法をふだんから行うことをお勧めします。

【例題3】 第106回午前31[改変]

次の腹部CTにおいて、矢印で示す部位について正しいのはどれか。
1. 肥満細胞で構成される。
2. 厚さはBMIの算出に用いられる。
3. 厚い場合は洋梨型の体型の肥満が特徴的である。
4. 厚い場合はメタボリックシンドロームと診断される。

【正答】 3

腹部CTでみられる皮下脂肪から、洋梨型の体型の肥満を連想させる出題です。

洋梨型の体型の肥満は「皮下脂肪型肥満」です。一方、リンゴ型の体型の肥満は「内臓脂肪型肥満」とされています。

先輩たちから情報を集めよう

春休みは、こうして、先輩たちの体験を聴き出すことができる絶好のチャンスです。先輩たちからの情報収集に励みましょう。どのような国試対策本を使ったか、どこの予備校の講座がよかったか、模擬試験をどのように活用したか、などの情報が特に大事です。うまくいった体験よりは、うまくいかなかった体験を参考にさせていただくと、失敗を回避することができます。


蜂谷正博 メビウス教育研究所 塾長
蜂谷 正博
メビウス教育研究所 塾長

日本赤十字看護大学をはじめ全国の看護学部、看護専門学校、薬学部で看護師・保健師・薬剤師国家試験対策講座を担当。著書に『必修ラ・スパ』など。動画配信サイト「メディカルアップ」で名講義を公開中。元東京大学大学院医学系研究科客員研究員。

メビウス教育研究所:http://www.mebius-ed.co.jp/

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