採血が上手な人や、患者さんとのコミュニケーションが得意な人など、どの病院にも「あの人はすごい!」と言われる看護師さんがいます。そんな看護師さんたちを「ナレッジワーカー」と位置づけ、育成しているのが聖マリアンナ医科大学病院。それらの取り組みについて話をうかがいました。
「看護師」という役割以外に
実際にどんなことをしている人たちなの?
「ナレッジワーカー」という、耳慣れない言葉。これは具体的にどのような看護師のことをさしているのでしょう。当院の枡田三枝子看護師長にお話をうかがいました。

枡田三枝子さん
混合病棟師長 29年目
人材活用委員会委員長
現場を支える「スゴ腕」のナースたち
彼らにスポットをあてロールモデルに
現在、当院では24名のナレッジワーカーがいます。大学病院というと、スペシャリストを養成しているイメージがあるかと思いますが、当院では日々現場で患者さんを支えている看護師たちにスポットをあてているのが特徴。その中で「ああいう先輩になりたい!」と周囲からあこがれや尊敬の対象としてロールモデルになれる人を選び、育てている途中ですね。
ナレッジワーカーとは「Knowledge(知・知識)」をもち、それらを実際に看護の現場で駆使している人のことを指します。看護の知識には教科書で得られる「形式知」と、現場でかかわることで得られる「暗黙知」の2種類があります。しかし、その暗黙知は看護師自身が意識せずに行っていることがほとんどなんですよ。
無自覚の"スゴ腕"保持者を選定。その技を紹介してより質の高い看護を
そこで委員会がナレッジワーカーにふさわしい人を選び、サポートする取り組みを始めました。自分たちの"技"をテキスト化して発表するといった活動は今年で4年目を迎えますが、ナレッジ交換会(発表会)はその人の持つ技を身につけられる相互シェアの時間ととらえています。そうすることで、すべてのスタッフが日常の看護ケアをより質の高いものとして提供できるようになればと思っています。
ナレッジワーカーは
様々なシーンで活躍しています!
さまざまな"技"を持つナレッジワーカーたち。彼らは当院が掲げる「安全・安楽」のために何ができるかを実践しています。具体的に、どのような技があるのでしょうか?

古屋真葉さん
神経内科 9年目
不安の多い入院生活を少しでも快適にする環境づくりを実践
ターミナルケア(終末期医療)で不安な気持ちを抱える患者さんや、不満の多い患者さんに対してどのようにコミュニケーションをとり、入院生活を少しでも快適なものにできるかを実践。患者さんのささいな変化も見逃さず、どのように患者さんを支援できるか常に考えて行動します。

吉岡千恵子さん
小児科主任
臨床経験14年目
連携することの重要性を常に一人ひとりが持てるチームをつくる
患者さんの安全性を考慮したケアの実践や、業務の効率化など、どのようにチームとして連携をとっていけばいいのかを考えます。スタッフ間での方向性を定め、再確認することで「チームでやれば可能になる」と熱意を持たせながら患者さんとその家族のメンタル面でのサポートに役立てます。

小野寺真紀さん
血液・腫瘍内科副師長
臨床経験17年目
患者さんの負担を減らしていくアプローチ方法を実践する
患者さんができるだけ痛みを感じないようにする採血の仕方や、骨折した患者さんが、そのあと脱きゅうしないようなベッドでの移動方法、患者さんが立って歩けるようになるといった目標に向け、援助している中からつなげていくアプローチを考え、実践します。
総合周産期母子医療センターが誕生!安心・安全な出産体制をサポート

高橋恵さん
聖マリアンナ医科大学病院
副院長/看護部部長
2010年3月から母体や胎児・新生児に生じる突発的な事態に24時間対応できる、高度な専門医療を提供する母子のための救命救急センター「総合周産期母子医療センター」が誕生します。
現代ではハイリスクな妊娠・分娩が増えていますが、そのようなケースでも出産後すぐに母子がコミュニケーションをとれる「カンガルーケア」などの実践をめざし、より安心・安全な出産になるようサポートしていきます。
大学病院ならではの充実した教育体制をいかし、経験者や新人を問わず安定したスタッフ育成を目標にしています。


















