看護師国家試験対策講座2011 Vol.06「直前期の有効な過ごし方」 | 看護師のまど


2012/01/20更新

看護師国家試験対策講座2011 Vol.06「直前期の有効な過ごし方」

国試を突破する戦略的学習法⑥「直前期の有効な過ごし方」

「解き癖」をつけ、「国試漬け」の直前期を過ごそう

この連載もいよいよ最終回です。国試を直前に控えた読者の皆さんは、緊張感とともに臨場感の増しつつある日々を過ごしていることでしょう。今回は、そうした貴重な時期の過ごし方について書かせていただきます。もうこの時期に来たら、歩を休めることはできません。毎日の課題を定め、淡々とルーティンワークをこなしていってください。

本番で頭をフル回転させる学習リズムをつくろう

看護師国家試験の実施時間は「午前:9時50分~12時30分」「午後:14時20分~17時」(第100回の場合)のそれぞれ2時間40分(160分)です。午前も午後も120問に解答しなければなりませんので、1問辺りの持ち時間はちょうど80秒になります(図)。見直しなどの時間も含めると1問あたり1分で解く必要があります。

国試各項目の問題数、平均回答時間

まず、日中に頭脳がフル回転するように、生活リズムを整えておく必要があります。昨今、パソコンやスマートフォンを使ってソーシャルメディアで情報交換する看護学生さんが増えたと伺っていますが、「ついPCの前で座り続けていたら真夜中になっていた」といった話も耳にします。しかし、国試当日まではそうした情報交流に費やす時間は自分で制限し、早寝早起きをこころがけましょう。

「朝型」に変え、日中に頭が働く生活リズムを定着させよう

そこで提案したいのが「早朝学習」です。これはあくまでも1つのモデルですが、過去、5年分の必修問題を用意して「1分1問」といった時間制限をつけて、毎朝「解答実践」を行うのです。
例えば、第98回までは必修問題は30問(午前15問+午後15問)、第99回と第100回は50問(午前25問+午後25問)ですので、月・火・水の朝は毎回30分、それぞれ第96回、第97回、第98回の必修問題30問を解きます。また、木・金は、それぞれ50分で第99回、第100回も必修問題50問ずつを解くのです(下図参照)。

早朝学習

「国試漬け」になり不安を拭い去ろう

こうして、とりあえず起きたら「問題を解く」といった習慣を身につけておけば、「国試漬け」の日々を過ごすことができます。国試漬けとは、脳の中に国家試験に関する知識を攪拌し、沈殿させることです。読者の皆さんも中学生や高校生のころの定期テストを思い浮かべてください。絶好調で勉強が進んでいるときは、ふと耳にした音やふと目にした光景が教科の知識と結びついたりしたことはありませんか。例えば、テレビで「塩分の取りすぎに注意しましょう」といったコマーシャルフィルムが流れているときに「塩分、食塩、NaCl」などと食塩の化学式が浮かんできたり、「冬は京都」といった旅行会社のポスターを見て「ウグイス鳴くよ平安京、794年」などとつぶやいたりすることです。
あるジャンルの学習を集中的にこなしていると、短期的には脳が混乱したりしますが、さまざまな既存の知識と結びつき、脳内ネットワークが形成され、知識の定着(記憶の精緻化)が進むのです。
ただし、国試の学習範囲はとても広いので、直前期になると不安が募るのも事実です。「毎年9割の受験者が合格する。でも、もしかしたら自分がその9割でない方に入ってしまったりして......」などといった過剰な心配が去来するかもしれません。
そのようなときは、強迫観念から、ともすると「勉強の準備」のために余計な時間を割いてしまうことがあります。「とりあえず本格的な学習環境を整えるために、まず部屋の掃除でもしようか」とか「お気に入りの文房具をそろえると調子が出るから、まずそれを買いに行って......」といった具合に準備に時間を費やしてしまうのです。
しかし、それでは不安を拭い去ることはできません。まず「問題を解く」。そして「ここまでは理解できていてここからが未習熟」といった合格ラインと自分の実力とのギャップを見極めるのです。ギャップがわかったら、それを埋める努力を続ければよいのです。

復習では「理由づけ(reasoning)」が大切

午前中、勉強する時間が確保できれば、間違えた問題について復習します。この連載でも何回か述べさせていただきましたが、復習は「2番の答えは1」などと覚えるのではなく、1つ問題から学ぶことを念頭において、問題を振り返ります。「なぜ1が答えになるのか」といった理由づけ(reasoning)もしっかり行ってください。
例えば、第100回の国試で、次のような問題が出ました。


貧血の診断に用いられるのはどれか。
① ヘモグロビン濃度
② 収縮期血圧
③ 血糖値
④ 尿酸値

この問題に対し「午前12は確か①が答えだ」とスルーしてしまうのではなく、「そもそも貧血とは赤血球数の減少による細胞の酸欠状態のことだから、酸素を運ぶ役割を担うヘモグロビンの濃度は、重要な指標になる」などと理由づけして「だから①が正解」と納得するのです。さらに「収集期血圧は高血圧症、血糖値は糖尿病、尿酸値は高尿酸血症(痛風)の診断にそれぞれ用いられる」といったところまで確認できればたった1問を復習するだけでも2倍3倍の学習効果が得られます。


頻回の嘔吐で起こりやすいのはどれか。
① 脱水
② 貧血
③ アシドーシス
④ 低カリウム血症

この問題に対しても「頻繁に嘔吐していたら腸からの水分吸収ができないから脱水症状になるから①が正解」と理由づけして納得しましょう。さらに、【午前12】の問題から学んだ「貧血はヘモグロビン濃度の低下によって生ずる反応」という知識もここで確認できますし、以下のような発展的な学習につなげることもできます。
・アシドーシスとは血液が酸(acid)性に傾くこと。二酸化炭素の排出がうまくいかない呼吸不全などが原因となる。逆に過呼吸により二酸化炭素の排出が進みすぎると血液がアルカリ性に傾くアルカローシスとなる。
・低カリウム血症は血液中のカリウム含有量が低くなることで、日常的にカリウムの摂取量が少ないか、腎臓の機能が異常をきたしカリウム排泄を亢進してしまう場合に生ずる。

このように、午前中から学習のリズムをつくり、午後は同じ年の一般問題、状況設定問題に取り組むようにすれば、5年分の過去問を有効活用することができます。なお、理由づけ(reasoning)の段階で、さまざまな教科書・参考書類を見ても納得できない場合は、看護学校や予備校の先生に尋ねるとよいでしょう。私が運営するヘルメスゼミ®に尋ねてくださってもかまいません。メールでお問い合わせくだされば、多少時間がかかるかもしれませんが、必ず返信します。

ヘルメスゼミ®
web:http://www.hms.bz
mail:info@hms.bz

いよいよ国家試験本番まで秒読み段階になりましたね。私が接してきた多くの看護学生さんはこの直前期の追い込みで自信をつけ、国試を突破していきました。迷わず「解くべし」です。なお、以下のURLに【第101回看護師国家試験直前対策】のサンプル映像がアップされています。興味がありましたら、ご覧ください。では、読者の皆さんの合格をこころよりお祈り申し上げます。http://goo.gl/8ND5N

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クロイワ正一
ヘルメス株式会社

ヘルメス株式会社 代表取締役。看護師国家試験対策および看護学校、看護学部への進学支援を展開するヘルメスゼミ®を主宰。マインドマップなど、知識の整理や豊かな発想を促すノート術を紹介するなど「脳に優しい学習法」を指導し、好評を得る。


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