看護師国家試験対策講座2009「Vol.02 夏休みの勉強」 | 看護師のまど


2009/07/17更新

看護師国家試験対策講座2009「Vol.02 夏休みの勉強」

いよいよ夏休みに入りますね。学校の課題や実習の予習・復習、就職活動などで国家試験対策まで手が回らない人もいるでしょう。しかし、多くの先輩達は「夏休みに少しでも国家試験対策をしておけばよかった...」と思うものです。後悔先に立たず... 来春卒業される方にとっては最後の長期休みになりますから、遊ぶのはいっこうに構いません。しかし最低限の国家試験対策は行って「オン・オフ」をしっかり切り替えて時間を"上手に"使いましょう。

夏休みにやっておくこと

  1. 1.過去問題集を活用する
    • 1回しっかり解く
    • 頻出問題をピックアップする
    • 出題基準を見れるようにする
    • 得意科目・不得意科目(不得意問題)を選別する
    • 暗記モノのピックアップをしておく
  2. 2.必修問題対策をしっかり行う

1.過去問題集を活用する

A.過去問題の使い方

第98回看護師国家試験終了後は「過去問題だけでは対策が足りなかった」と感じた学生が多く、「過去問題で十分合格できる」と思った人は少数派だったようです。しかし、問題を分析すると「過去問題をしっかりやっていれば十分合格できた試験」でした。では、なぜそのように意見が分かれたのか?それは過去問題の使い方にあります。プール制が導入されているとはいえ、さすがに"国家試験"ですから「過去問題と全く同じ問題ばかり」とはいきません。過去問題は"出題のポイントがたくさんある"ものなのです。

例えば、写真の問題で「褥瘡の進達度を判断する問題」が出題されました。(第1回参照

過去5年間、「褥瘡」の問題は毎年出題されています。ですが「褥瘡」についてしっかり勉強していたのか、それとも「褥瘡の過去問題だけ勉強していたのか」ここで「過去問題を正しく使えたか」が分かれます。「褥瘡の過去問題だけだけ勉強していた」場合、選択肢1つ1つ丁寧に勉強できていてもそれでは「褥瘡の進達度の判断(NPUAP)」は出てきません。しかし、「褥瘡」という"テーマ"についてしっかり勉強していれば「NPUAP」のことは学習できたのです。前回述べたように、「実習で出会っていなければ解きにくい」問題とも言えますが、出題された写真のレベルでは基礎的な知識があれば判るものでした。

このように過去問題集は使い方1つで皆さんの合格をぐっと引き寄せるものなのです。第1回で述べたように看護師国家試験は決して"落とすための試験"ではありません。ですから皆さんに試験として"確認しておきたいことの基本"は過去問題に集約されているのです。よって、過去問題には"国家試験対策で求められるテーマ"がしっかり入っていて、その"テーマ"をしっかり勉強できれば「国家試験で十分に合格点がとれる」のです。この視点を絶対に忘れないで取り組んでください。

B.勉強する順番を考える〜その1〜

過去問題集の多くは約1000ページとものすごく分厚くなっています。1ページ1ページ順番にやっていくと、進んでも進んでも「終わらない」という印象を持ちやすく、途中で飽きてしまう人が多くいます。ですから、できる所や出題数の多いものなど、順番を崩して取り組むことをお勧めします。

初めは基礎看護学から取り組むと良いでしょう。国家試験の出題では看護技術に関連するものが圧倒的に多い傾向にあります。他の看護の6分野(在宅看護論、老年看護学、成人看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学)の中でも「基礎看護学または基礎看護学絡み」の問題が多数出題されています。それらを含めると、実は看護師国家試験の出題では基礎看護学系の出題が最も多いとカウントできるのです。カリキュラム上、基礎看護学はほとんどの学習・実習が終わっているはずですし、そもそも看護の全ての基本になるものですから、この夏に一気に仕上げてしまうことが理想です。

また、必修問題においても1/3〜1/4は基礎看護学技術に関する問題です。必修問題対策については後述しますが、出題基準の項目Ⅳは『看護技術の基本を問う』となっており、毎年30問中7〜10題出題されていました。この視点からも基礎看護学を早く仕上げるとことをお勧めします。

C.出題基準を活用する

次に"出題基準"も上手く活用することをお勧めします。

看護師国家試験には"出題基準"があり、問題はその"出題基準"から出されているわけですからしっかり見ておくことが必要です。また、頻出問題を"出題基準"から見抜くことも可能ですし、"出題順"まで把握できます。

例えば、老年看護学では、始めに①データ関係や老年期の理解が出題されており、その後に②成長発達・発達課題③身体的変化...と出題されています。それを出題基準のどこから出題されているのか1つ1つ振り分けてみましょう。①〜③は『目標1:老年期を生きる人々の生活と健康についての理解を問う』の大項目に沿っています。①は『老年期の理解』②は『老年期を生きる人々の特徴』③は『老年期を生きる人々の健康』です。国家試験はさらにここから中項目、小項目と分かれて問題が作成されています。過去問題を照らし合わせることによって、重要ポイントを見逃さずに学習できます。

一人で行うのが大変でしたら、友人と分担するのも良いでしょう。

在宅看護論、小児看護学、母性看護学、精神看護学の4分野も、同じように進めると効果的です。一応、過去問題の分野別出題番号を記しておきますので参考にしてください。

参考:過去5年間の問題番号について
    第98回 第97回 第96回 第95回 第94回
在宅看護論 一般問題 AM46〜49
PM43〜45
PM86
AM 80〜87 各回AM64〜71
状況設定問題 AM91〜96
PM91〜93
各回PM31〜39
老年看護学 一般問題 AM65〜72
PM60〜66
PM88
PM 15〜30 各回AM102〜117
状況設定問題 AM106〜108
PM100〜105
各回PM55〜63
小児看護学 一般問題 AM73〜77
PM67〜71
PM89
各回AM118〜128
状況設定問題 AM109〜114
PM106〜108
各回PM64〜72
母性看護学 一般問題 AM78〜83
PM72〜75
PM90
各回AM129〜AM139
状況設定問題 AM115〜117
PM109〜114
各回PM73〜81
精神看護学 一般問題 AM84〜88
PM76〜80
PM83
各回AM140〜150
状況設定問題 AM118〜120
PM115〜120
各回PM82〜90
注:分類の仕方は様々ありますが、出題基準に基づいて分けてあります。

なお、成人看護学は国家試験対策で必要な疾患がかなり多いので、この夏に完成させることは難しいでしょう。循環器、呼吸器など系統として約半分進められれば大丈夫です。どこから始めるかは自由です。基本的には、実習で経験した疾患または系統から入るとやりやすいですね。残り半分は2学期や冬休みにかけてコツコツやりましょう。

ちなみに、国家試験では100の曖昧な知識より50の正確な知識を持っている方が安定して点数を取れます。「残した半分はやらなくてもいい」ということではなく、それだけ「ここでやる半分をしっかりまとめておく」ということを意識して下さい。

D.得意科目と不得意科目、暗記モノを選別する

「得意・不得意」を洗い出しておくことと暗記モノをリストアップしておく、それもこの夏にやっておききましょう。ちょっと面倒ですが・・・その代わり、不得意分野と暗記モノは9月または12月まで後回しにしても結構です。

これらを徹底的にやらないとマズイのでは?と聞こえてきそうですが、極論をいえば、国家試験で満点はいりません。ですから、いずれは捨て問題を作っても構わないのです。また、不得意なものは、いくらやっても頭に入りにくいと思いませんか?先程述べましたが、国家試験では100の曖昧な知識より50の正確な知識を持っている方が安定して点数を取れるのです。ですから、夏の土台作りの場合、取れる所を確実に取れるようにしてしまう方が効率的です。不得意な所は、切羽詰まってきてから危機感を持ってやった方が頭にも残りやすいでしょう。まあ多過ぎては困りますが(笑)

延し延しにもできませんが、一応"夏は全体の得点力をアップさせるには何が効率的か"を考えて勉強しましょう。

なお、その視点からすると皆さんの多くが不得意とする「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」の基礎医学系ですが... この夏は必修問題対策と成人看護学の勉強で済ませておいても構いません。必修問題では、項目Ⅲ『看護に必要な人体の構造と機能および健康障害と回復についての基礎的知識を問う』という項目があります。そこでの出題数は毎年30問中10〜13題になっています。必修問題対策で基本的な知識の整理ができます。また、成人看護学の学習では、疾患について理解していくことが必要になりますから、"病態把握"で「解剖生理」と「病理学」の知識も必要になります。ここで復習することも多く出てきます。基礎医学系は何でも手を出していくと深い溝にはまって、抜けだせなくなり、他の科目の勉強が進みにくくなってしまいますから、この夏は"遊ぶ"ことも考えて、"基本"を押さえることを中心にしておきましょう。

また、暗記モノでは「社会保障制度と生活者の健康」が多くなるでしょう。しかも"単純に覚える箇所"と"理解して覚えた方が効果的な箇所"がはっきり分かれます。"理解する"法律やサービス、施設などはもう押さえてしまいたいものですが、"単純に覚える暗記モノ"は今時間をかけるには非効率です。しかも『国民衛生の動向』は秋に出版されるのが通例です。せっかく覚えても結局忘れやすい所ですから、この夏は暗記モノに時間をかけずに、後で何が必要なのかリストアップしておくにとどめてしまいましょう。

E.勉強する順番を考える〜その2〜

前述の通り、国家試験対策では問題集を順番通りに進める必要はありません。また、基礎看護学や成人看護学のように科目によって多少進めるペースを変えても構いませんし、むしろその方が効率的です。基礎看護学以外にも、この夏に優先的にやっておいた方がいい科目を挙げておきましょう。

お勧めしているのは「老年看護学」と「在宅看護論」です。この2つの分野は、比較的重なるポイントが多くありますし、頻出問題がたくさんあります。範囲も比較的狭く、頭にも入りやすいですから、得点源の分野になります。勉強すればすぐに6割から7割は取れるようになりますので、ここは夏にビシっとやって、2学期には模擬試験で安定して点数を取れるようにしておくと良いでしょう。しかも基礎看護学と合わせて3分野も仕上げたことになりますから気持ちも楽になります。

2.必修問題対策をしっかり行う

次に必修問題の対策ですが、この夏休みに"合格ライン"の点数を取れるようにしておきましょう。第99回の必修問題は新しい出題基準で小項目が212個から291個に増えましたし、問題数自体が増えることも決まりました。そのため、早めの対策を取るようにしましょう。ただし、こちらも効率の良い手順を考えることをお勧めします。

A.必修問題も勉強する順番を考える

必修問題対策も順番通りに進める必要はありません。むしろ勉強の順番を組み換えることをお勧めします。

始めは前述の項目Ⅳ『看護技術の基本を問う』から始めることを勧めます。 次は項目Ⅲ『看護に必要な人体の構造と機能および健康障害と回復についての基礎的知識を問う』で基礎医学系の基礎問題を押さえるようにしましょう。 では、その次は何でしょう?項目Ⅱ『看護の対象者および看護活動の場に関する基礎的知識を問う』をお勧めします。ここの項目は成長発達を含め、その他の看護学の勉強ができているとスムーズに進みます。ですから、"ある程度"過去問題集で各分野の勉強が進んでいると取り組みやすくなります。したがって、夏休みの後半からの取り組みでも構いません。

項目Ⅰ『看護の社会的側面および倫理的側面に関する基礎的知識を問う』は最後で結構です。理由は統計や社会保障・医療保険制度、保健師助産師看護師法など、暗記モノが多くなるからです。夏休みに誰もが知っていること(看護師さんや看護学生に限らず、世間一般の人が知っていること。例えば、日本の総人口や出生率、死因でガンが一番多いこと、病院にかかると自己負担は何割か、など。)は頭に入れておくべきですが、夏休みは覚えることに時間を使う時期ではないことは前述の通りです。ましてやここから取り組むといっこうに進まなくて途中で嫌になってしまうケースが多くなります。

B.出題基準と照らし合わせる

必修問題対策の効果的な方法です。「1-C.出題基準を活用する」はここでも効果的ですし、むしろ、一番必要なのが必修問題です。過去の問題が出題基準のどこから出題されたのか、その項目に当てはめておきましょう。出題基準は新しくなりますが、必修問題に関しては「単純に項目が増えた」と言っても過言ではありません。ですからほとんどの過去問題は新しい出題基準でもすぐに当てはまる項目を見つけられます。

C.各論との共通点を把握しておく

必修問題はすべて各論のどこかに当てはまります。要するに「必修問題にしかない範囲」はありません。ですから、逆の言い方をすれば、「すべての範囲が勉強できていれば必修問題は必ず得点できる」のです。したがって、各論との共通点が分かることで得点力のアップも見込めますし、逆に、成長発達や保健師助産師看護師法など、重複して勉強すると非効率になる箇所も出てきます。ですからこの夏は各論との共通点も考えて取り組むことをお勧めします。

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松本晋圭
新宿セミナー 看護師国試対策担当

看護師国試対策大手予備校の一つ、新宿セミナーの国試対策担当で中心的な人物の一人。名物講座「1日で過去問を5年分解く!」「新傾向対策〜直前スペシャル〜」など多くの講座を立ち上げる。看護系学校では1年生から最高学年までそれぞれの時期にあわせた国家試験ガイダンスを行い、高評価を得ている。