看護学生の皆さん、こんにちは。先日、第97回看護師国家試験の合格発表がありました。結果は下記で述べますが、「終わりは始まり」とよく言いますように、次への取り組みもまた始まるということです。
特に、第98回を受験する方は、もう国試まで1年を切りましたから、最高学年になった自覚と共に、国試合格への道も意識したいものですね。ちなみに、「まだあと1年もある」なんて考えていますと、あっという間に冬です(夏ではなく、気付いたら冬!です)。計画的に行い、手順よくやっていけば、実習とも上手く付き合えます。これから3回に渡って、「上手く進める勉強方法」をアドバイスします。無理なスケジュールではないので、コツコツと、時にガツンとやりましょう。
まず始めに...現在の概況と展望
①合格率
第97回は90.3%でした。相対基準を用いている結果、ここ数年90%前後であまり変わりません。
②受験者数
第97回も若干増えました。現在、看護系大学が増加しており「初めて国家試験を受ける学校」が毎年出ています。したがって、第98回以降も受験者数は増加していくでしょう。
③合格者の最低ライン
第97回の一般・状況設定問題は66.7%(270点満点中180点以上)でした。最近の合格ラインは、昨年の第96回が72.1%、第95回が 65.1%、第94回は61.3%です。年によってばらつきがありますが、逆に相対基準によって合格者のレベルは保たれていることになります。 なお、必修問題は絶対基準で80%以上の得点が必要です。
意外と勘違い...看護師国家試験の問題は難しい?
看護師国家試験はなぜ行われるのか?と考えたことがありますか?資格を与えるための厳正なテスト、しかも資格は"国家資格"で、人の命に携わる仕事、だからかなり厳格なテストと普通は思うでしょう。
もちろん、間違いではありません。
しかし、実際に出題されている問題を見ていくと、意外と簡単に答えられるものが多くあります。 少なくとも、インターネットも使えるこのご時世で、答えを探しても1時間以上見つからない...という、 ものすごく知られていないレアな知識ばかり問われるなんてことはありません。
それはなぜかと言えば、看護師国家試験は、「合格後すぐにプロ(看護師)として病院等で働けますか?そのための知識や技術を修得しましたか?」と いうことを確認することが最も大切だからです。"知らない""難しい"知識をたくさん出すよりも、 看護師として必要最低限知っていなければならないことを確認しておかないと、看護師として働くにあたって困るわけです。
したがって、大学入試とは異なり、"国家試験"として「現場で必要とされるもの」「出くわすことが多いこと」 「看護師として最低限必要な知識や倫理、行動、対処」等を出題し、きちんとできれば専門職としての資格を授ける、 そのためのテストを用意していると考えて結構です。そうやって少し自分の気持ちを楽にしましょう。 ただし、範囲は膨大なので、"一夜漬け"は到底無理ですよ。
念のため...看護師国家試験の形式
現在の看護師国家試験は全て4択です。4つのうち1つを選ぶ形式がほとんどです。 数問ですが、4つのうち2つ選ぶ問題もあります。ただし、その場合も2つの組み合わせが4つ提示されており、 正しい組み合わせ1つを選ぶことになっています。(弟98回から変わる可能性があります。そのことは次回述べます。)
なお、出題は次の3分野になります。
| 問題の種類 | 内容 |
|---|---|
| 客観式必修問題(30問) |
必修問題は、出題基準に「看護師としてとくに基本的かつ重要な知識及び技能について、専門基礎分野及び専門分野から構成」と明記されています。 時折、やや難しい問題や解答に困るもの、スミをつつかれる問題が出ますが、基本は"基礎の基礎"あるいは"基礎の基礎さらにその基礎"が出題されています。 |
| 客観式一般問題(150問) |
客観式一般問題は、出題数としては最も多くなります。1問1点です。
第96回までは【1】と【2】が午後の始めの30題となっており、たとえ、午前中の感触で安心感を持っても「できない」「マズイ」と不安に陥ってしまう要素でした。 第97回では、【2】が午前問題に移り、その分【4】のうちの老年看護学が午後問題に入りました。そのため、午前も午後も実力を発揮しやすくなったと思われます。 それぞれの出題数はほぼ固定されており、例えば、母性看護学や小児看護学、精神看護学は例年11題です。出題内容は疾患に関連することだけではなく、各分野から精選された問題が多岐に渡って出ています。 |
| 状況設定問題(60問) |
状況設定問題は、看護を実践する基本的能力を試す問題です。 与えられたケースで状況を理解し、アセスメントや退院指導まで、幅広く出題されます。 現場に出て直結する問題ですから、配点も高く、1問2点です。 近年は単純に「このケースならこれ!」という問題は減少傾向で、与えられたケースにより "臨機応変"に考える、より実践的な問題が増えています。 ですから、暗記だけでは到底太刀打ち出来ません。 学生さんの中には、「実習で教わったことが答え」として解答してしまう場合も多々ありますが、 "実習で教わったことが全て"ではありません。"ケース"により柔軟に解答を導くことも必要になります。 |
では...何から始める?
早くからの国家試験対策が望ましい、というのはもちろんですが、 なかなかそんなに上手くいきませんよね。はっきり言って。
新宿セミナーでは、いろいろな学校に伺って、低学年からの合理的な継続方法を伝えていますが、 聞いたことがない人もおそらくいるでしょう。 低学年にはもう戻れないわけですから「根本から合理的に」とはなりませんが、 少しでも楽に、そして確実に得点力を伸ばす方法をアドバイスしたいと思います。 なお、できれば実習で再び忙しくなる前に(4月中に)、少なくとも夏休みより前に行っておきましょう。
【1】過去問を解く
書店で販売されている『過去問集』は実際に出題された過去の問題を編集したものです。予想問題や模擬試験とは異なり、実際のレベルがそこで分かります。まずはそれを頭に残して下さい。実習の時にも、「あれ?この辺り出ていた?」とできるくらいで大丈夫です。
また、頻繁に出る問題もそこで分かります。先に「大学受験とは異なる」と述べましたが、実は"頻出問題"があります。しかもたくさんあるのです。例えば血圧測定の問題です。血圧測定は看護師になって初めて働く際に、絶対必要な知識・技術ですよね。不得手であっても、血圧測定自体をできない看護師さんはいるでしょうか...?多分いないですよね。知っていて当然、と思うかもしれませんが、これが毎年のように出題されているのです。それは、「当然できるハズだけど、念のためできるかチェックしないと看護師の資格を与えるにはマズイ」と出題者側は考えざるを得ないからです。そうした"頻出問題"がたくさんあるんですね。それもチェックしましょう。
【2】基礎医学系の復習をする
大抵の先輩方は最後に基礎医学系科目で苦しみます。直前で頑張っても、範囲が広くて大変で、他の科目の勉強に影響を与えてしまうケースが多くあります。それは合理的ではないので、実習を上手く利用することをお勧めします。しかも、この時期に力を注ぐのは「解剖生理」と「病理学」だけにしておきましょう。
実習前、または実習後に、行った分野をしっかり押さえて下さい。実習で病態把握を必要とするケースが多くあるはずですから、そこで一緒にまとめてしまうのです。他の基礎医学系科目は後回しにしてでもこだわりたい部分です。実習を中心に普段から勉強していくのは大変ですが、今はコツコツとやってください。後で差がつきますから、限られた時間を有意義に使いましょう。
松本晋圭
新宿セミナー 看護師国試対策担当
看護師国試対策大手予備校の一つ、新宿セミナーの国試対策担当で中心的な人物の一人。名物講座「1日で過去問を5年分解く!」「スーパー基礎!必要最低限のことを再確認して合格点を確保する!」など多くの講座を立ち上げる。看護系学校では1年生から最高学年までそれぞれの時期にあわせた国家試験ガイダンスを行い、高評価を得ている。


















