看護師国家試験対策講座2008「Vol.02 夏休み前に整理しておくこと」 | 看護師のまど


2008/07/02更新

看護師国家試験対策講座2008「Vol.02 夏休み前に整理しておくこと」

月にこのHPに、第1回の国家試験対策記事を書きましたが、読んでいただけましたか?もう7月ですね。楽しみな夏休み!といきたいところですが...国家試験対策も忘れないようにしましょうね。今回は夏休み前に整理しておくことを中心にアドバイスしていきます。実習を含め、夏休みを有効に活用する準備をしましょう。

まず始めに

国家試験を初めて受ける学生さんのほとんどが実習で忙しい日々を送っているかと思います。実習で学んだことは国家試験対策につながりますからしっかり整理しておきましょう。特に病態を把握して看護過程へ展開できるようにしておくことが大切です。夏の重要な学習ポイントにもなります。

ただ、この手のまとめ方は学校でしっかり指導を受けていると思いますし、様々な出版物で取り上げられていますから、今回はちょっと違う視点で実習を生かす方法を紹介しておきます。どんなことかといいますと、実習で学んだことと国家試験を比較する、というものです。

前回の記事を読んでいただいて(読まれていない方はすぐ読んで下さい!)過去に何が、どのような形で出題されているかをまず把握することが大切だと分かったと思います。 そして、既に過去問を見ている方は、実習でそのケースや問題に似たような状況に出会っていると気付きましたか?これがポイントです。過去問を見ていない方へも考慮して、例を出してみますね。

例えば、小児看護学実習が1型糖尿病の患児であった場合、過去問で問われたケースとして、どんなものがあったのか?と思い出すわけです。この前の第97回でこんな問題が出題されています。

次の文を読み〔問題70〕、〔問題71〕、〔問題72〕に答えよ。

11歳の女児。2週前から夜尿が出現していた。本日登校中に倒れ搬送された。特記すべき既往歴はない。体温37.8℃。脈拍数 100/分、呼吸数 32/分。採血の結果、血糖値 600㎎/㎗、代謝性アシドーシスが認められ、1型糖尿病の疑いで入院した。

〔問題70〕

患児に出現する可能性が低いのはどれか。

  1. 倦怠感
  2. 浮腫
  3. 多飲
  4. 多尿
〔問題71〕

患児に出現する可能性が低いのはどれか。

1型糖尿病と診断され、主治医がインスリン自己注射の必要性を児と母親に説明した。患児は「自分で注射するなんてできない」と泣き出した。対応で最も適切なのはどれか。

  1. 手をとって注射を促す
  2. できるようになるまで退院できないと話す
  3. 入院中は親に注射をしてもらうことを提案する
  4. 自己注射をしている同年代の糖尿病患児と話す機会を作る。
〔問題72〕

退院に向けて、医師、看護師、養護教諭と家族が話し合い、糖尿病外来での担当看護師を決めた。3週後、血糖値の自己測定とインスリンの自己注射ができるようになり退院した。学校に通い始めたが「4時間目の体育の前に血糖値を自己測定したところ、72㎎/㎗だった。体育の授業はどうしたらよいか」と養護教諭から担当看護師に電話で相談があった。助言で最も適切なのはどれか。

  1. そのまま参加する
  2. 見学する
  3. 1単位補食後に参加する
  4. 早退し受診する

その前は、第91回で次のような問題が出題されています。

次の文を読み〔問題40〕、〔問題41〕、〔問題42〕に答えよ。

9歳の女児。学校の健康診断で糖尿を指摘され、今回の入院で1型糖尿病と診断された。食事は1,800 kcal、インスリンは即効型を朝食前、昼食前および夕食前に、中間型を就寝前に皮下注射し、血糖測定は1日7回行っている。児は、血糖の自己測定やインスリンの自己注射が必要だと説明を受け理解しているが、自分ですることを嫌がり涙ぐむため、看護婦(師)や母親が行っている。

〔問題40〕

入院7日、インスリンの自己注射の指導時、児はペン型注射器を握り何度も大腿部に刺入しようとするが「やっぱり恐い」と言ってできない。自己注射を促す方法で適切でないのはどれか。

  1. みかんを大腿に見立てて刺入する練習に誘う
  2. 自己注射の必要性を再度説明する
  3. 自己注射を他児と一緒にするのを勧める
  4. 大人が自己注射をしているところを見せる
〔問題41〕

インスリン自己注射が可能になり、血糖値も安定してきた。退院も近い日の23時30分ころ、児は「目が覚めちゃった。おなかが空いたよ」とナースステーションにやってきた。血糖を測定したところ、72㎎/㎗であった。看護婦(師)は児に対し、このような場合どのようにするのかを聞いた。児の理解が適切と判断できるのはどれか。

  1. 「血糖値がよさそうだから食べずに寝るね」
  2. 「お砂糖を1袋(10g)飲んでから寝るね」
  3. 「ビスケットを3枚食べてから寝るね」
  4. 「カップ麺を食べてから寝るね」
〔問題42〕

血糖値が良好にコントロールされたので、児、家族および学校の関係者とともに、これからの学校での生活について話し合った。給食は1食平均600 kcalである。適切なのはどれか。

  1. 昼食前に行う体育には参加しない
  2. 持参する砂糖は担任に預ける
  3. インスリン注射はトイレで行う
  4. 給食は全量摂取する

正答(第97回)

  • 〔問題70〕 → 2
  • 〔問題71〕 → 4
  • 〔問題72〕 → 3

正答(第91回)

  • 〔問題40〕 → 2
  • 〔問題41〕 → 3
  • 〔問題42〕 → 4

解説は長くなりますので省略しますが、この2つから、小児の1型糖尿病で出題される(されやすい)ポイントは見えてくるわけです。まずは基本的な疾患把握。次に自己注射や自己コントロール、そして退院後の日常生活、となります。もちろん、これ以外に出題される可能性もありますが、前回述べたように、「国家試験は落とすための試験」ではありません。ですから、国家試験で必要な、出題者が問いたいポイントはある程度絞られてくるのです。

そして、実習でこれを「意識できたか」「意識できなかったか」または「そのポイントをまとめたか」「まとめていないか」で"夏前の土台"が異なるわけです。

小児看護学では、他にファロー四徴症(第93回、第94回、第95回で出題)やネフローゼ症候群(第92回、第93回、第94回、第95回で出題)など、頻出の問題があり、実習で経験させていただいたことから勉強するとスムーズです。

また、患児の年齢を踏まえて、成長発達段階を前後に伸ばして覚えることもできますね。実習時の患児が4歳であったのなら、身長が出生時の倍になる頃だな、とか、スキップしていたとか、ボタンをかけられていたな、とか...成長発達段階は必修問題でも一般問題でも頻出ですから、覚えにくい人はこの手もあるわけです。

他にも症状に対する看護や検査など、多数頻出ポイントはありますし、細かいところももっと学習が必要ですが、これらも実習を上手くまとめれば大きな武器になります。ちなみにこれらを始めから知っていた人なら...皆さんが苦手とする統計や法律までクリアできます。知っていた方も知らなかった方も、他の分野も同様、ぜひ実践してみて下さい。

さらに時間があるならば...

本試験の過去問集めをしておきましょう。過去問の大切さは繰り返し述べていますが、実は皆さんの多くが『全問』を手にしていません。

市販されている過去問集では、類似問題が全て掲載されていない場合も多くあります。学校の教員室や図書室に「試験問題の刷り直し」や「過去問集の付録(多くは最新の問題集にその年の国家試験問題が1年分掲載されています)」が保管されているはずです。それをコピーしておいて、夏休みを迎える準備をしておきましょう。

なお、新宿セミナーのホームページからも見ることが可能です。

ちなみに手にする問題は5年分が目安です。古いものをやり過ぎても、今の傾向にあわないことがありますからね。それをどう使うかは、夏休みの課題ですから、次回で述べます。

国試の傾向がかわるかも!?...

今回は最後に国試の傾向が変わるかもしれない、という点に触れておきましょう。今年の3月14日、厚生労働省において「保健師助産師看護師国家試験制度改善部会」が「医道審議会保健師助産師看護師分科会」と合同で行われました。

そして、第97回看護師国家試験合格発表の2日前、「保健師助産師看護師国家試験制度改善部会」の報告書が出されました。その中で看護師国家試験に改善すべき点が何点か挙がっています。

ポイントを紹介しておきますと、

A.第98回看護師国家試験からの導入が望ましいとされたもの

a)Kタイプ問題をXタイプ問題に変更とその際の選択肢の増設

組合せ問題(選択肢で必ず1はa,b、2はa,d、3はb,c、4はc,d)を改めるというものです。今まではaが正解と判断できればaと組み合わさっていないcは自動的に不正解と判別でき、答えが絞りやすくなっていました。それを、組合せをなくして1つ1つ正解であるか判別させて、さらに選択肢を増やすというものです。

b)複数の選択肢群の用意

今までは1問に対して選択肢が4肢になっていましたが、複数の選択肢群を用意して選ばせよう、というものです。英語の試験を思い出せば想像しやすいでしょう。例えば問題51とあり、選択肢がなくて問題52、問題53、問題54...と続き、正解を下から選ぶ、というものになると思われます。あるいは、カッコがついていて、穴埋め問題を用意するというケースも考えられます。

c)状況設定問題では試験科目をまたがって出題することも可能とする

状況設定問題は今まで、看護6科目(老年看護学、在宅看護論、成人看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学)をそれぞれの分野に区切って出題されていました。それを、例えば老年と在宅のセット、小児と母性のセットなど、範囲を科目ごとに区切らないというものです。

d)視覚素材の導入

図表等を平面図だけにしないで、写真などの視覚素材を導入するというものです。

B.第99回看護師国家試験からの導入が望ましいとされたもの

a)出題基準の改定
b)必修問題の増加

必修問題を現在の30問から50問に増やすという内容です。ただし、試験問題は現在の240問で変更しないとのことです。ですから、一般問題・状況設定問題から20問減ることになります。

まだ決定ではありませんが、導入される可能性は十分にあります。これらへの対策が必要になるかもしれないことは頭に入れておきましょう。なお、詳細は下記のHPで確認して下さい。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/s0324-8.html

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松本晋圭
新宿セミナー 看護師国試対策担当

看護師国試対策大手予備校の一つ、新宿セミナーの国試対策担当で中心的な人物の一人。名物講座「1日で過去問を5年分解く!」「スーパー基礎!必要最低限のことを再確認して合格点を確保する!」など多くの講座を立ち上げる。看護系学校では1年生から最高学年までそれぞれの時期にあわせた国家試験ガイダンスを行い、高評価を得ている。


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