いよいよ夏休みに入りましたね。看護系の学校に入学する前の夏休みは、きっと「この夏を制するものが合格する!」というようなことを言われて必死に頑張っていたことでしょう。では、皆さんのこの夏休みは??夏を制するものが合格する...とまでは言いません。最後の学生生活ですから、遊んでおきたいでしょうしね。
ただ、他の学生さんがやってない時ほど成績を上げる絶好のチャンスはありません。受験生の時のような「1日8時間以上勉強!」とできればそれにこしたことはありませんが...やる時はやる、遊ぶ時は遊ぶ、その切り替えを上手く行って、「この夏にやっておきたい内容」はしっかりやりましょう。
夏の基本~その1~
繰り返し述べていますが、過去問題の制覇が看護師国家試験合格へ最も必要な要素です。第1回目の記事では、夏前はサーっと2回...と書きましたが、この夏はもうそれではいけません。1つ1つの問題や解答をしっかり把握しましょう。
★過去問題の取り組み方
過去問題は問題集などを使って進めると良いでしょう。ただし、前回述べたように、過去5年分を編集されているケースが多く、全問までは掲載されていないので、自分で集めることを忘れないで下さい。では、それらをどのように進めていくかですね。方法はいろいろありますが、お勧めしたいのは分野ごとに区切って進めていく方法です。
例えば、老年看護学であれば、老年看護学をダーっと5年分、各回ごとに解きます。そうすると、始めは①データ関係や老年期の理解が出題されており、その後に②成長発達・発達課題、③身体的変化...と出題の順番やよく出るポイントが分かります。
そして、出題基準のどこから出題されているのか1つ1つ振り分けてみましょう。ちなみに①~③は『目標1:高齢者の特徴とその生活についての理解を問う』の大項目に沿っています。①は『老年期の理解』、②は『老年期を生きる人々の特徴』、③は『加齢に伴う変化』です。
国家試験はさらにここから中項目、小項目と分かれて問題が作成されているのです。このようにして、出題の流れや頻出問題、問題の作られるパターンも過去問題から把握して、その後に、老年看護学の他の出題のポイントや覚えることをどんどん頭に入れていくのです。
在宅看護論、小児看護学、母性看護学、精神看護学の4科目も、同じように進めると効果的です。
| 第97回 | 第96回 | 第95回 | 第94回 | 第93回 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 老年看護学 | 一般問題 | PM 15~30 | 各回AM102~117 | |||
| 状況設定問題 | 各回PM55~63 | |||||
| 在宅看護論 | 一般問題 | AM 80~87 | 各回AM64~71 | |||
| 状況設定問題 | 各回PM31~39 | |||||
| 小児看護学 | 一般問題 | 各回AM118~128 | ||||
| 状況設定問題 | 各回PM64~72 | |||||
| 母性看護学 | 一般問題 | 各回AM129~AM139 | ||||
| 状況設定問題 | 各回PM73~81 | |||||
| 精神看護学 | 一般問題 | 各回AM140~150 | ||||
| 状況設定問題 | 各回PM82~90 | |||||
| 注:分類の仕方は様々ありますが、出題基準等に基づいて分けてあります。 | ||||||
他の分野も紹介しておきましょう。
成人看護学は国家試験対策で必要な疾患のうち、約半分をこの夏で完成させる、という気持ちで大丈夫です。循環器、呼吸器など系統として半分、という考え方でもいいでしょう。どこから始めるかも自由です。基本的には、実習で経験した疾患または系統から入るとやりやすいですね。解剖生理や病理など、疾患把握に必要な知識もそこで復習したでしょうから、取り組みやすいと思います。残り半分は2学期や冬休みにかけてじっくりやりましょう。
ちなみに、国家試験では100の曖昧な知識より50の正確な知識を持っている方が安定して点数を取れます。「残した半分はやらなくてもいい」ということではなく、それだけ「ここでやる半分をしっかりまとめておく」ということです。なお、「残す半分」は何もやらないと不安になってしまいますから、過去問題や問題集を通して、全般をサーっと流す程度の勉強はしておくといいですね。
人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」の基礎医学系は、まんべんなく地道にやるしかありません。ただし、基本は解剖生理と病理を中心に勉強すると良いでしょう。何でも手を出していくと深い溝にはまって、抜けだせなくなり、他の科目の勉強に影響が出ます。
もし、上手く進められない場合は、出題基準の必修問題・項目Ⅲ『看護に必要な人体の構造と機能および健康障害と回復についての基礎的知識を問う』から手をつけてもいいですよ。ここの出題範囲は基礎医学系で、出題数は例年30問中10~13題になっています。ですから、必修問題対策としても有効になるわけです。
「社会保障制度と生活者の健康」は、法律やサービス、施設など、各論で出る所はそちらでしっかり押さえましょう。出てこなかったものは?基本的には暗記ものに近く、結局忘れやすい所ですから、この夏はこの項目に力を入れ過ぎる必要はありません。
基礎看護学は、第97回が若干難しかったことが気になります。過去問題だけではなく、模擬試験や参考書など、いろいろなものを取り入れて細かく勉強していくことを勧めます。それから出題数は圧倒的に技術が多いです。理論も出ますが、この夏は技術重視で勉強しましょう。
なお、他の看護の6科目(老年看護学、在宅看護論、成人看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学)の中にも「基礎看護学または基礎看護学がらみ」の問題が多数出題されています。それらを含めると、実は看護師国家試験の出題では基礎看護学系の出題がもっとも多いとカウントできるのです。合否に大きく関係しますから、様々な問題に対処できるよう、漏らさずに勉強しましょう。
最後に必修問題ですが、前述したように、出題基準の項目Ⅲは基礎医学系の土台として取り組んでも結構です。その他は各論をビシっとやってから振り返ると、実はすんなりできたりします。特に出題基準の項目Ⅳは『看護技術の基礎的知識を問う』となっており、出題は基礎看護技術ですから、前述の通り基礎看護学の対策をしっかり行っていれば対応できるようになります。
このように、各論をある程度進めて、その後に5日~1週間くらいかけて必修だけをみっちりやるとよいでしょう。なお、必修問題対策の勉強をする際には必ず出題基準と照らし合わせて進めて下さいね。
夏の基本~その2~
この夏に意識してほしいことが「得意・不得意」を洗い出し、「得意」な部分(または分野)を伸ばすことです。
不得意分野を徹底的にやらないとマズイのでは?と聞こえてきそうですが、国家試験で満点はいらないのです。ですから、いずれは捨て問題も出てくるかもしれません。また、不得意なものは、いくらやっても頭に入りにくいと思いませんか?先程述べましたが、国家試験では100の曖昧な知識より50の正確な知識を持っている方が安定して点数を取れるのです。ですから、夏の土台作りの場合、取れる所を確実に取れるようにしてしまう方が効果的です。
不得意な所はこの後、または切羽詰まってきてから危機感を持ってやった方が頭に残ります。まあ多過ぎては困りますが(笑)延し延しにもできませんが、一応夏は全体の得点力をアップさせるには何が効率的か、それを考えて過去問題を活用しましょう。
夏の基本~その3~
前述の通り、国家試験対策では科目によって多少進めるペースが変わります。また、得意・不得意を上手く進めていく工夫も必要です。しかし、その中でこの夏に点数を取れるようになっていてほしい分野があります。
それは「老年看護学」と「在宅看護論」です。この2つの分野は、比較的重なるポイントが多くありますし、頻出問題がたくさんあります。比較的範囲も狭く、頭にも入りやすいですから、得点源の分野になります。その分、勉強すればすぐに点数を取れるようになるのです。
ですから、ここは夏にビシっとやって、2学期には模擬試験で安定して点数を取れるようにしておくと気持ちがちょっと楽になります。
さらに...できればこれに基礎看護学を加えましょう。先に述べたように、全体での出題数が最も多く、必修問題でもたくさん出る分野ですからね。気持ちももっと楽になるはずです。
なお、私の講話を聞いたことがある人ならば、この3分野に取りかかっていて、リードを取れていますよね。その勢いのまま頑張りましょう。聞いたことがない人は、既にそうやって安定した得点源を作っている人が入ることを理解して、追い付くように頑張って下さい。
松本晋圭
新宿セミナー 看護師国試対策担当
看護師国試対策大手予備校の一つ、新宿セミナーの国試対策担当で中心的な人物の一人。名物講座「1日で過去問を5年分解く!」「スーパー基礎!必要最低限のことを再確認して合格点を確保する!」など多くの講座を立ち上げる。看護系学校では1年生から最高学年までそれぞれの時期にあわせた国家試験ガイダンスを行い、高評価を得ている。


















