看護師だからできるケア 家族看護 救命救急センターの取り組み
聖マリアンナ医科大学病院

看護師だからできるケア 家族看護 救命救急センターの取り組み

救命救急センターにおける家族看護

命の危機に直面するご家族を支える役割

救命救急センター副看護師長
長屋 文子さん

家族を看護の対象として、家族が本来持っているセルフケア機能を高めるのが家族看護。生命の危険に直面する救急医療の現場では、ご家族の混乱や不安は特に強く、心に寄り添い支えることがとても大切になります。患者さんがお亡くなりになることが予測される状況になったとき、少しでも受け入れられるように支えるグリーフケアも家族看護のひとつです。現在、私は救命救急センターの副看護師長として働きながら臓器移植の院内コーディネーターを兼任していますが、どの場合でもご家族に寄り添いたいと思っています。看護師が関わることによって、乱れた生活リズムを立て直したり、家族の絆が強まったり、さまざまな変化が起きてきます。ご家族が患者さんのことを語る中で、ご家族の背景や患者さんに対する思いに触れ、共に行えるケアを考えることや、家族が本来の機能を取り戻していく過程にかかわれることが最大のやりがいです。

ご家族の想いをかなえる

印象深く覚えているのは、交通事故で意識不明の重体になった女性のご家族のことです。お子さんがまだ小さく、ご主人も、ご両親も「人生が終わった」かのように落ち込んでいました。お母様から「きれいなままでいさせてあげたい」とのご希望があったため、顔マッサージや髪を結うケアを一緒にやっていただくことにしました。お父様は、普段から娘さんと食事や外出をしていたことを知り、娘さんと二人きりで過ごせる時間を作りました。忙しく働くご主人には時間外の早朝面会を実施しました。残念ながら患者さんはお亡くなりになりましたが、ご家族からは感謝の言葉がありました。ご家族は患者さんの整容を保つことを望んでいると、治療に関わるチームで情報共有をしていました。エンゼルケアのときに医師が患者さんを慈しむように丁寧に包帯を巻いている姿を見て、ご家族の思いをチーム全体で支えることができたと心から嬉しかったです。
救命センターでは、今まで当たり前の生活をしていた人が、突然受傷し入院します。その患者さんやご家族を支援する事が私たち救命センターの看護師です。どんなときもご家族に目を向けることは重要だということを伝えながら、今後も家族看護を探求していきたいと思います。

 
長屋さんは救命救急センターに勤めて15年目。
現在は副看護師長と院内ドナーコーディネーターを兼任している。
コロナ禍では、患者さんご家族のケアを行う専門チームと共に家族看護を実践しています。
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