特集 看護師を知る!

看護師の職場紹介

病院、診療所、介護・福祉施設など看護師の活躍の場はたくさんあります。それによって患者さんや仕事のしかたも違ってきます。看護師として求められることも違ってきます。あなたは、どのタイプに向いていますか。

病院

2008_about-nurse_05_01ひとくちに病院といっても、内科、外科、産婦人科、小児科など診療科目は複数にわたり、どのような部署に属するかにより、仕事は大きく異なってきます。

たとえば「外来」の場合は、待合室や診療室で、その日にやってきた「外から来た」患者さんのために仕事をします。ナースステーションを拠点にして、入院し ている患者さんの看護をするのが「病棟」の看護師。さらに、手術をする患者さんのために仕事をする「手術室」の看護師、集中治療室の患者さんのために仕事 をする「集中治療室(ICU)」の看護師、より専門的な立場でケアをする専門看護師・認定看護師というように、さまざまなタイプの看護師がいるのです。

看護師は、チーム医療の一員として医師をはじめ、ほかの部署の人とのチームワークをとりながら、24時間体制で働いています。

クリニックや医院などの診療所

2008_about-nurse_05_0220人以上が入院できる医療機関を病院と呼びますが、診療所は、入院施設がないもの、あるいは19人以下の患者さんが入院できる医療機関です。診療所で は、「内科が専門」「外科が専門」といったように、そこで診る病気の分野をしぼりこんでいます。また、重症の患者さんや治療がむずかしい患者さんには、よ り設備の充実した大病院を紹介しています。子どもからお年寄りまで地域の人が最初に訪れる身近な医療機関です。

看護師は診療や治療の手助けから病気のアドバイスまで、ひとりで何役もはたしています。そして、地域の人々と深くかかわりながら看護をしていきます。たい ていの診療所は、医師1人、看護師数人、事務スタッフ数人といった規模ですから、看護師の働き方も、医師と相談して柔軟に決めることもできます。

介護や福祉の施設

2008_about-nurse_05_03介護・福祉施設は、体力の低下や障害のめに、いま自分だけで暮らすことが困難な人を、介護・看護するところです。

たとえば、介護老人保健施設。治療はすんだけれど、リハビリや生活の手助けが必要なお年寄りのための施設です。体力の衰えや判断力の衰えのために生活の手 助けが必要なお年寄りのための施設は、介護老人福祉施設といいます。障害のために生活の手助けが必要な人のためには社会福祉施設があります。

こうした介護・福祉関係の施設は、大きな施設でも、医師は1人、看護師も数人というところが一般的です。その代わり、介護福祉士、社会福祉士、ホームヘル パー、ケアマネジャーなどの介護・福祉スタッフがたくさんいます。看護師は、こうした人たちと一緒に利用者に寄り添いながら仕事をします。

市町村役場や保健所、企業健康管理室

2008_about-nurse_05_04全国各地の市町村の保健センターや保健所で、公務員として働いている看護師もいます。ここでの重要な仕事は、地域の人々が健康で暮らせるようにサポートすること。

赤ちゃんや子どもの健康相談や、結核やエイズの心配のある人の治療にあたったり、育児教室や、生活習慣病の予防のための教室を開くなど、イベントの企画を 考え、実施したりします。病気や育児についての住民からの相談も受けます。その家庭を訪問することもあります。地域と深くかかわる仕事です。

また、一般企業の医務室や健康管理センターといった部門で働いている看護師もいます。ふだんの仕事は、具合の悪くなった社員のケアや、社員の健康相談にのること。社員のための定期的な健康診断や、食生活についてなど健康管理の情報も発信しています。

訪問看護ステーション

2008_about-nurse_05_05少子高齢社会のニーズをくみ取るために、全国各地に、訪問看護ステーションが創設されるようになりました。訪問看護ステーションとは、お年寄りや難病、障害などを持つ人々が住みなれた家で安心して治療ができるようにと創設された制度です。

訪問看護ステーションで働く看護師は、利用者の家庭を定期的に訪問し、治療のアドバイスや手助けを行ないます。

具体的な仕事の内容は、病状の観察、療養や看護のアドバイス、カテーテル(管)や床ずれなどの医療処理、簡単なリハビリテーションなど、いろいろありま す。1日に4件くらいの利用者のお宅を訪問するのが一般的です。一人で訪問するので緊張もあるようですが、患者さんとその家族に喜ばれ、深いきずなが生ま れることも多いのです。

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