
看護師として歩み始めたばかりの1〜2年目は、不安や揺らぎを感じやすい時期。
1都6県に28病院、23の介護保健・福祉施設を展開するAMGグループでは、グループ病院それぞれの工夫で新入職や2年目の看護師を支え、安心して成長できる環境を整えています。
今回登場するのは、船橋総合病院と白岡中央総合病院。
異なるアプローチに込められた「育てたい」という共通の思いを、先輩看護師と教育担当者のトークから感じてください。
《船橋総合病院 編》
多様な経験が育む“自分らしい看護”の軸 「ジョブローテーション」で身につく確かな技術 経験の点をつなげる2年目の「他部署研修」
《白岡中央総合病院 編》
2年目の自信と実力につながる仲間との“学び合い” コロナ禍で感じた“きずな”と“学び”の大切さ 「パートナーシップ・ナーシング・システム」がある安心感
多様な経験が育む“自分らしい看護”の軸
《船橋総合病院 編》

教育委員会のレベル別教育委員会に所属し、研修の企画運営を担う。
新人から中堅看護師までのキャリア形成を支援している。

整形外科(4A)病棟勤務。
コロナ禍に入職した3年目看護師。地域医療への関心が強く、患者さんの回復過程にやりがいを感じている。

やまざきさんと同期で同じく整形外科(4A)病棟所属。
急性期での経験を積みながら、将来的には訪問看護にも関心を持っている。
「ジョブローテーション」で身につく確かな技術
――船橋総合病院が若手看護師に向けておこなっている取り組みについて教えてください。
はぎわら
当院では、独自の取り組みとして「ジョブローテーション」と「他部署研修」を行っています。
ジョブローテーションは新卒1年目を対象に、3か月ごとに2つの部署を経験します。春に入職して夏までに1部署、秋の正式配属までに1部署。残りの半年は固定配属先に慣れ、1年目の終わりにはひと通りの業務を1人でおこなえるようになることを目指しています。
――なぜ、新卒1年目にジョブローテーションを導入されているのでしょう。
はぎわら
この時期の多様な経験が、自分の適性や興味を見極めやすくすると考えるからです。「自分はこの仕事に向いているのか?」「続けていけるのか?」と不安を抱えがちな1年目だからこそ、経験の幅を拡げてキャリアの軸を見つけることが大切なのです。

――教育担当者として工夫している点はありますか。
はぎわら
ローテーションで経験したことを「ただの体験」で終わらせないために、技術チェックリストなどを活用し、身につけた知識や技術を確認できるようにしています。昨年は1部署2カ月でしたが、「少し物足りない」という声があったことから、今年は3カ月ずつのローテーションで、できることをどんどん経験してもらうようにしています。終わったあとにはアンケートやヒアリングを行い、毎年改善を続けています。
不安を乗り越えられるあたたかな職場環境
――お二人の新入職時代はいかがでしたか。
やまざき
1年目の終わりごろから、「来年からは自分1人で頑張らなければいけない」という不安が大きくなりました。患者さんの情報収集や判断を自分でおこなう責任の重さを実感しました。
ふちがみ
私も同じです。ただ、病棟全体が質問しやすい雰囲気だったので、困ったら先輩に声をかけることができましたし、見守られている実感もありました。

――働きやすい雰囲気の職場なんですね。
やまざき
アットホームで相談しやすい環境です。コロナ禍での就職活動でしたが、そのときも病院見学を受け入れてくれるなど、寄り添ってくれる温かさを感じていました。
ふちがみ
先輩方から「どう?」と気にかけてくださるのもありがたいです。厳しく指導されることもありますが、その根底に「後輩を育てたい」という思いがあるのを感じます。
はぎわら
以前のように「先輩の背中を見て学べ」では通用しない時代。指導する側も意識を変えていく必要があると思っています。納得感を大切にする若い世代を指導することは、私たちにとっても大いに学びになります。
